自閉を活かす  コロロ発達療育センター

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石井先生直伝  10か条コーナー


ー高機能自閉症児者への対応ー

やってはいけない10ヶ条

第1条 
こだわりと自発性を混同してはいけない

 
こだわりはコトバで言い聞かせるだけではコントロールできない。信念(概念)に基づく行動なら話せばばかるはず。
第6条 
いろいろな人がいろいろなニュアンスで話してはいけない

 高機能者も話の雰囲気をつかむのが苦手。
 はじめは話し相手を限定してコミュニケーションを整理してあげたい。
第2条 
いつもコトバと感情が一致していると思ってはいけない

 
「やれる」のに「やりたくない」と反対の事を言ってしまうことがある。この現象を認識しておかないとマイペースを助長し、問題行動へ発展してしまう。
第7条 
「好きなようにしていいよ」と無責任に言ってはいけない


 社会的に支障ない形で好きなように過ごすことが難しいので、軋轢が生じたとき、かえって本人を苦しめる。
第3条 
衝動的に突然状態低下するので周囲は油断してはいけない

 安定した普通の状態が長く、落ち込みは一時的なので、周囲は安心しがちだが、この安心が危ない。常に表情、口調などチェックの必要あり。落ち込み時は過激になる。
第8条 
するべき事が曖昧な日課にしてはいけ ない


 きちんとしたデイリープログラムがないとマイペースになり、それを注意されて周囲と衝突。暴力、無断外出、引きこもり、不登校等のきっかけとなる。
第4条 
叱責説教口調で注意してはいけない

 周囲が興奮すると感応して本人も興奮する。コトバのコントロールが弱いのだから…。約束調に端的に説明したい。
第9条 
事が起こった後からの反省会的注意は効果があまり無い

 高機能者もタイムリーな指導が必要。
しかし、やはり衝動的暴力行為は絶対させない、事前回避が原則。
第5条 
話し過ぎてはいけない

 本人の好きな事でも、話を聞きすぎると、話している本人がコントロール不能に陥って、まとまらなくなってくる。本人も苦しい。
第10条 
概念学習を怠ってはならない

 成人の日常生活・仕事の中でも、読み上げ、歌唱、日記、小遣い帳記帳計算…と学習課題はたくさんある。概念機能力を鍛えたい。


ー訓練や学習中にー

はきちがえてはいけない 10か条

 訓練目的で行わない

 認知障害児への訓練は、鍛錬や筋力強化が目的で行われてはならない。 「おのれの軟弱な精神と肉体を!!」 と言って鍛えられるのは、第三段階後半になってからである。 一つの行動が続かないのは、 意識のおちこみが頻繁にくるからで、意識レベルの上行と持続を目的に、おだやかに行われるのが理想。

2 辛い訓練をしたのだから、その後は・・  という大人の思いが、つまづきの初め。


 抑圧時間差反応はありえない、ことを肝に銘じるべし。その思いで訓練後、好き勝手にさせてしまうと、訓練した効果がちっとも身につかない。ダメ親父がやるのをみていれば、一目瞭然だろう。 ただし、やり過ぎの飽和状態(同じことのやりすぎからくるぼんやり)はあるので、飽和する前に訓練の領域(課目)を変えるとよい。 
 パニックや過度の不快反応はさけよ。

 パニックや強い不快反応は、常同化するから絶対にバツ。少々のぐずりは突破せよ。ただし、不快反応やパニックは前の時間(他人のかかわり)の抑圧発散ではなし。今あなたの与えている刺激(対応の仕方)が、引き起こしている事を忘れるな。やり方や課題の変更を直ちに考えよ。

 叱ってはいけない。  とくに説明口調はサイアク。

 訓練や学習が出来るよいリズム作りを。出来るモードになっていなければ、実効なし。初期の学習では、まちがわせない→叱らないが鉄則。

 大人の目が届かない時はしょうがない・・・  と言ったら負け。

 24時間一秒たりともおろそかにせず、これぞ真の人権思想だ。目の届かない時間こそ、勝負ぞ。 さてどうする?
 例
     (1) 数秒でよいから目線だけは注ぐ。
     (2) 他者への端的な(短い言葉で)依頼。
     (3) 自習課題の練習と工夫。
     (4) その他無数。

 行きがかり上の不快刺激は、耐性トレーニングにならない。

 毎日の生活の中で、行き当たる不快刺激はいくら経験しても耐性トレーニングにはならない。ますます反応を悪くする。 不快刺激の注入は、意図的、段階的に与えられることが条件。刺激は、統制され設定されてこそ、療育効果をあげる

 力を強くかけ過ぎない。  押え過ぎない。

 反発反射が定着すると、あらゆる訓練が成り立たなくなる。触らないで訓練目的が果たせれば理想的だが、言葉かけが多いのも困りもの。かといって、強いタッチが悪いわけでもない。最も効果的な触り方を早く掴むこと。

 大げさにほめないこと。

 一般にほめすぎは逆効果を招く、興奮が止まらなくなる。あえて、ほめたり叱ったりしなくても、トレーニング中の、「良し」・「ダメ」という判断は、大人の態度からすぐキャッチするもの。賞罰は、その瞬間キャッチだけで十分だ。 

 山歩き(散歩)のセオリーを、単純に導入しない。

 
少し長く歩けるようになったから、山へ行ってみようという頃。一時間歩き続けたところで、小休止をとるのはよくない。できれば二時間(むりなら一時間半まで)ガンバらせたい。 そこで小休止をとり、次に一時間後というのはかまわない。長距離歩行の効用は、手足の分化、体幹支持、一定姿勢・動作の持続等々にあり、その対象は、成長期にあるしなやかな肢体である。中高年の山登りとカン違いするな。

10 脱水症は急にくるので要注意。

 前条は基本姿勢であるが、しかし、自閉症児らは、それまで元気に歩いていたのに、急にカクッと脱力することがあるので要注意。健常児だと、かなりへばっているなと思っても、次第に取り戻してくることが多い。これは、「しっかりしろと自分に言い聞かせる」意志の力が、作用している為と思われる。認知障害にはその意思が弱いので、急激に来る場合があることを想定しておいた方がよい。 水を飲ませても吐き出す時は、中止したほうがよい


ー感覚訓練中にー

やってはいけない 10か条

1、時間制限なし、割り込み優先のトランポリン、 ブランコ遊具類。
2、造形、ごっこなしの自己感触刺激。
  砂いじり・水遊び(特に水道の蛇口)・ねんどこね
3、スピニング、ピョンピョン跳び、無踏病状運動
4、トランポリン類は、順番を待ち、競技として教える。
  砂遊びはみたて遊びへ。ねんどは造形へ。でなければ禁止せよ。
5、高所恐怖感を覚えさせよ。慣れたらそれ以上やるな。
6、肌ざわりに違和感を覚える教材は積極的に与える。
  例) 紙やすり・たわし・アイスノン・こんにゃく状。
     ぶにゅ、ひゃっ、じゃりじゃり、ちくちく等、不快感があれば
     慣れさせ、快感があれば禁止せよ。
7、背後背面(特に首筋と背中)は、自閉症の泣き所。
  その過敏反応には十分留意してトレーニングせよ。
  (大人の不用意な刺激はさけよ)
8、人や物に自分からベタベタ触れること(禁止せよ)。
  他者(物)から触られることは、別々のルートである。
  触られることに慣れるのが肝要、柔軟な受け身行動
  がとれるようになることが、優先課題だ。
9、食物の手づかみは、口腔機能と手の使用分化を妨げる。
  指先が味覚を感じるようになっては、脳の階層構造上、
  退行を意味する。
10、感覚統合の総合は新皮質(前頭連合野と言語中枢)
   であること、即ち、「よくわかる(わからせる)」を肝に銘
   じてトレーニングに励め。運動においては、皮質錐体路
   系を念頭において(つまり、考えながらやる運動を)。
   連合野は過剰出力を制御したり、フィードバックする。



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